副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
しばらくしてチラッと那智を見れば、まだ真剣な顔をして画面と睨めっこしていた。
「できたっ。絃くん! 直ったよ」
「おお。さんきゅ」
俺が近づくと、またキュルキュルの目で見てくる那智。
「絃くん…あのね…」
なんだ?
まるでキスを強請るみたいに。
思わずジッと見つめてしまう。
本当に綺麗な瞳をしてる。
「さっきのチョコレートってまだある?」
チョコレートかぁーい!
「あるよ」
リビングに向かうと那智も後ろをついてきた。
冷蔵庫を開けて箱ごと渡す。
「全部食っていいよ」
もうやけくそだ。
どうせ俺は食わないし。
「いいの? やったー。頭使うと甘いの欲しくなるよねー」
なんて言ってパクパク食べている。
リスみたいだ。