副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい


「何作んの?」

手を動かしながら聞かれる。

「ん? 中華スープ」

「いいね」

ここのキッチンは広いから並んで作業しても全然狭くないや。

「キッチン広くて最高だね」

「ははは。主婦目線バッチリだろ?」

「本当に。それにインテリアも本当オシャレ」

「海外のヴィラをイメージしてるんだよここ」

通りで。

「納得だ。まさにそれだ。ヴィラ行った事ないけど! ははは!」

「…今度行く?」

「え? 2人で?」

私は見上げる。
一瞬行きたいと思った。
目が合う。本当に?

「あーないか。ははは」

ない…か…。だよね…。
何を期待してしまったのか。

「な、ないよそれは。ははは」

私は誤魔化した。
確かに行ったところで何すんねん。
カップルでもあるまいし。

「はーおかし。スープ完成!」

「炒飯も完成」

そして2人して若干ぎこちなく笑いながら向かい合って食べた。

「うんまっ」

絃くんの炒飯は絶品だった。
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