副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
「今兄ちゃん家にお世話になってます」
「ええー!?」
だよね、驚くよね。
私はマンションの話をした。
「なるほど。それは怖いわ。それは絃んちに行って正解だわ」
2人は頷きながら言う。
「でもあの絃がねぇ」
どの絃やー。
「それよねー」
どれやー。
「那智。絃に変な事されてない? 大丈夫?」
妹は全面的に私の味方らしい。
「私が泣いてたら抱きしめて慰めてくれました。マンションで起こった事を怖がって手が震えた時も、手を握ってくれました。あとは何もされてない」
「わーお」
二人は全く同じリアクションをとる。
「そもそも美容院に連れてってくれたのも、こうして二人と出会えたのも全部彼のおかげで…。惹かれない方が…。男の人って皆んなに優しいの?」