副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
そりゃ私なんか眼中にあるわけない。

いつも黙って通り過ぎて行くもんね。
まるで私なんか透明人間になったんじゃないかと思うくらいに綺麗に無視だ。

まぁ私も読書に夢中になっているから、下手したら出て行った事すら気づかない時がある。

彼は決まって私より早く図書室にいる。

まぁ、三年生の教室の方が近いってのもあるけど。

彼は窓側で寝てたり、テーブル席で寝てたり、たまーに起きていて本を読んでいたりする。

私は特に何も反応せずカウンターに座り自分の時間を過ごす。

でも、内心はドキドキしていた。

彼が同じ空間にいるってだけで不思議と心が騒ぎ出した。
でもそれと同時にその空間がとても心地良かった。

御曹司…。
まるで住む世界が違う。

私には到底、縁のない話しだ。
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