副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい


「まぁ、そこは程々でいいんじゃね? うちの親父みたいに大事にしすぎて悶絶する気か? ははは」

「ククククっ! 確かに。そうだな。そこは程々にな」

奏翔の親父の涼太くんは、奥さんが大事過ぎて一緒に住んでてもなかなか手を出せなかったらしい。
日々悶絶していたと言ってた。

俺も結局そうなりそ。

「丈慈に、美空に。次はお前かー」

「バカ、気がはえーよ」

まだ付き合ってもねぇ。
俺の気持ちを伝えてもねぇ。

どう思うかな。
受け止めてくれるだろうか。

俺は昔からなんだかんだ、あいつの前では楽な気持ちでいられた。
今だって、那智が出すあの空気感が心地良い。

俺を見てくれてる。
そう思える。
副社長だのなんだのって、忘れてるくらいだもんな。
ははは。
敵わねぇな本当に。
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