副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
風呂から上がると那智はソファで本を読んでいた。

俺は黙って冷蔵庫を開けて水を一気飲みする。

すると俺に気がついた那智は目が合うとニコっとしてまた本に視線を戻した。

俺も那智の隣に座ってタブレットで経済誌を読む。

お互い何も話さない。

そろそろ寝るかなと思ったところで、ちょうど那智も本を閉じた。

「寝る?」

「ふふ。寝る」

二人で鏡の前で並んで歯を磨く。
歯磨いてる時まで可愛いわ。

「はひ、ひんほーひふふ?」
(なち、身長いくつ?)

「んえ? はひ?」
(んえ? なに?)

二人で結局聞き取れなくて笑いながらうがいをする。

「那智、身長いくつ?」

「ああ。154だよ。なんで?」

「いや、ちっこいなって」

「ははは。絃くんと並ぶと余計に小さく見えるね」

本当にな。
守ってやりたくなるよ。

俺は鏡越しに微笑むと那智も微笑み返してくれた。
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