副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
「ふざけないで! 絃をたぶらかさないで!」

たぶらかすって。
なんや?

「何してる」

すると横付けされた車から絃くんが降りてきて私の前に立った。

「絃! ねぇ、なんなのこの子。誰?」

「お前に関係あるか?」

凄く冷たい声だ。

「なによ。今度はその子?」

「勘弁してくれ」

勘弁してくれ…か。
だよね。
勘違いするなってか。

「こんな見た目だけの女どこがいいわけ?」

「あのさ、俺の事はなんとでも言っていいけど、コイツはやめろ」

「彼女なの?」

「違う」

嘘でも彼女とは言わないのか。

「んじゃ遊び?」

「もうやめたよ。そういうのは。お前も知ってんだろ」

どういうこと?

「あれ本当だったの?」

「なぁ、本当いい加減にしてくれ」

「あなた、本気にするだけ無駄よ。こんな男。金持ちで見た目がいいからって。すぐに捨てられるわよ」

ギッと私を睨むとその人は行ってしまった。
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