副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
そんなある日、突然その彼が昼前に私の教室にやってきた。

え?
まさか…
嘘…

彼はぐるっと教室を見渡す。
そして目が合った。

え!?
私!?

でもその視線はすぐにそれた。

「維織」

そう呼んだ。

あんな優しい声で。

維織ちゃんは彼に呼ばれて振り向くと、急いで彼の方にむかう。

「絃!」

絃(いと)っていうんだ名前。

まるで恋人の待ち合わせみたいなシーンに目が離せなくなってしまった。

恋人だったんだ。
ドクンドクンと鼓動が早くなっているのが自分でもわかった。

そして、胸が痛むのを感じた。

そして二人は廊下で何か話をして、維織ちゃんはすぐに戻ってきた。

絃先輩も、もう行ってしまったようだ。

私は立ち上がり、維織ちゃんとすれ違うように教室を出た。

向かう先は図書室。
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