副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
「あ、どうも。金子修也です。え? 藤崎って…もしかしてあの藤崎建設のだったり?」
「ああ、ご存知でしたか。ありがとうございます。はい、藤崎建設の副社長をさせて頂いております」
そしてその場でお互い名刺を交換した。
「うっそ! 先輩の彼氏ヤバ!」
「金子くん。あといいですね?」
すんげー塩対応だな。
メガネと前髪なくても鉄壁か?
「いーやこれは敵わないすわ。イケメンすぎるし。スマートだし。俺先輩の事好きだったんすけどね! 変な男だったら奪ったろって! あははは! それじゃお邪魔しました!」
そう言って金子という緑頭はダカダカ走って行った。
「え? 今何か言ってた?」
那智が俺を見上げた。
「いや。なんも。忘れろ」
あのヤロー。
堂々とちゃっかり告白しやがって。
でもまぁ、諦めてくれんのか?
譲る気はさらさらないが。