副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
そして那智は、メガネなしでラーメンを食べる食べやすさに感動しながら美味しそうに食べていた。

意外と食べるらしい。

「あのさ、私仕事遅いけど夜ご飯とか作ったら食べる?」

那智が家に来てから、こうなるまで特に約束もせず、各自で食事をとっていた。

「全然食べる。俺もなんだかんだで遅いし、同じくらいじゃね?」

「そっか! んじゃ作る! 好きなんだよね作るの」

「そうか。俺も好きだから、一緒にしよ」

「ふふふ、うん。あのさ、マンションなんだけど…」

「ああ。正式に解約の手続きとりな。ちゃんと俺ん家に引っ越してこい」

もう居候じゃない。

「うん。ありがとう。でもそうなるならさ、ちゃんと親御さんにご挨拶をした方が…」

「俺んちは大丈夫。むしろお前んちに挨拶行かせて」

「え!? うち!?」

「ああ。当たり前だろ」

「あ、ありがとう」

「地元関西だっけ?」

「う、うん。ちょっと遠いよね…。あれなら電話で十分だよ?」

「いや、ちゃんと挨拶したい。今後の事もあるし」



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