副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
「緊張してんの?」

「してる。お、親に誰か紹介するなんては、初めてだから」

まぁ、俺も紹介した事ないけどな。

「電話で話したんだろ?」

「話した。凄かった」

凄かった?

「叫んでた」

反対されたとか?

「怒られたか?」

ブンブン首を横に振る那智。
反対はされなかったらしい。
一瞬焦ったわ。

まぁ、反対されても喰らいつくけど。
こう見えて俺は諦めが悪い男だ。
特に那智の事なら絶対に諦めるつもりはない。

そして駅に着いて、タクシーに乗る。

山を登るタクシー。

「え? 山に住んでんの?」

「ま、まぁ」

そして着いた先は、オシャレなロッジだった。
え?

「ここ?」

「ここ…です」

「お前んち、何してんの?」

今更聞く。

「あの、えっと…」

「「那智ちゃーん! おかえりー!」」

その時、木製の重厚そうな入り口のドアが開くと、ドーベルマン3頭と一緒に両親だろうエプロンを付けた二人が走って出てきた。
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