副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
図書室にいけば、今日は先輩は来ていないようで安心してしまった。

そうか。
私はいつの間にか叶うはずもないのに、彼を慕っていたんだとその時気づいた。
だから、恋人がいると知って胸が痛くなったんだと。

彼が教室に来た時、そして目が合った瞬間、私に用があるのかと思った。

とんだ勘違いをしてしまった。

だよね、私は彼にとって透明人間でしかないのだから。

きっと今頃教室では、維織ちゃんと先輩の話しで盛り上がっているのだろう。

もしかしたら、知らなかったのは私だけなのかもしれない。

私には友達がいないから。

別に無視されてるわけではない。
話しかけられるし、用があれば私も話しかける。

維織ちゃんだって、特に話したりはしないけどたまに目が合ったりするとニコっとしてくれる。

そうだよね、あんないい子だもん。
先輩くらいのイケメンの彼がいたって納得だ。
むしろお似合い過ぎる。
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