副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
「建設会社の副社長さんなんやて? こんなはるばる来てくれはって、ほんまきちんとしてはるわぁ」

洋子さんはドーベルマンを撫でながらそんな事を言ってくれた。

「是非嫁にお願いしたいんやけど」

聡一さんも撫でながらサラッと言う。
え?
いいんすかもらって。

「パパ!」

那智が制した。
おー。
新たな一面だ。

「なんや恥ずかしがらんと。なぁ?
同棲するくらいや。ほんな結婚も考えてんねやろ?
何回も来るのも大変やろしなぁ? 
うちは大賛成やから絃くん。
絃くんさえ良ければもう、ぜーんぶ任せるし」

すげー。
話しはえー。

「ありがとうございます」

その時入り口のカウベルが鳴る。

「おっと! いやー、申し訳ない。お客さんや!
今日は大型犬五匹つれたお客さん泊まりに来るんや。
洋子、行くで。
絃くん、ゆっくりしてってな。
ほんまに、わざわざありがとう。
那智ちゃんをよろしくお願いします。お転婆やし迷惑もかけると思うけど」

「いえ。こちらこそ、よろしくお願いします」

「ほんまに。絃くん、わざわざ来てくれはったのにバタバタしてしもてかんにんえ。
ほな、那智ちゃん、元気でな。
絃くんの事大切にするんやで。
次は私らが行くさかい!」

そう言ってバタバタ二人は行ってしまった。
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