副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
「せっかくだし、少し観光でもしてく?」

「おお、いいな」

タクシーで移動して有名な寺や神社を回った。

寺へ続く参道でコーヒーショップへ入る。

「雰囲気いいな」

「そだね。私も初めて来た」

そしてキョロキョロと周りを見回したあとある席を見て那智の目線が止まった。
そして慌ててこちらに目線を戻した。

どした?

「那智?」

俺はチラッと那智が見た方を見る。
そこにはド派手な女が二人大きな声で騒いでいた。

周りの客も迷惑そうだ。

「あそこの知り合い?」

那智は首を横に振る。
でも何か怯えてる?

「出ようか?」

「う、うん」

そして出る時に声が聞こえてきた。

「え? あれ塩田那智じゃない?」

「うっそ。うーわ、ほんまや」

「今でも男たぶらかしてんちゃう?」

「はははは!」

は?

「行こう」

那智は冷たく心を閉したようなそんな表情を見せた。
もしかして、地元を離れたのって…。

「那智、俺トイレだけ行くわ。先でてな」

「あ、うん。わかった」

那智が店を出たのを見て俺は女達に近づいた。
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