副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
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「那智、今度YUIのコレクションあんだけど行くか?」

ソファに座って本を読む那智に声をかける。

「え? なんでYUI?」

「あれ? 俺言ってなかった?」

「ん? 何を?」

「YUI FUJISAKI」

「え?」

「FUJISAKI」

「藤崎…?」

「藤崎 結。俺の親父の妹なの。デザイナーしてる」

「えー!?」

声デカい。

「んで行く? たぶんいろいろ来るんだけど…。そんでもってたぶん目立つんだけど」

行かないって言うか?
俺はどっちでもいいんだけど。
ドレス着なきゃだし。

「んー。見たい。でも目立つのかー。目立つよねー。んー。ドレス着るの?」

「着る」

「だよねー。んー。ドレス持ってないしなー」

めっちゃ悩んでる。

「ちなみに、ドレスは用意するから心配いらない」

「い、行ってみようかな」

「お、行くか。おけ。んじゃ言っとく」

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