副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
こりゃいつも以上に目立つな。
まぁ神楽組がいないだけまだマシか?

「行くか」

俺は気持ちを切り替え那智をエスコートする。
今日はみんなで移動するのでリムジンを用意してある。

「これで移動するの?」

那智は予想通りポカンとしている。

「はい、乗るよー」

維織が横からグイグイ那智を押し込んだ。

車内で軽くシャンパンで乾杯する。

「「カンパーイ!」」

女子達はさっそくお互いを褒め合ってワイワイ騒ぎ出した。

「なぁ、今回のドレス際どくないか?」

俺は大地と奏翔にそっと話す。

「本当に。俺結婚しててもハラハラする」

大地は美空が心配らしい。

「メイクとかもっと手抜いても良かったんじゃねぇの? あんな可愛くすんなよ」

意味のわからない文句を大地にする。

「いやそこは無理だわ絃くん。俺プロなんで」

奏翔もシャンパンを飲みながらクスクス笑ってる。

「男だけよな。ハラハラしてんのは」

「本当そう。お前維織のこと頼むぞ? 俺今日は那智を見てんのに精一杯なんだからよ」

いちおう妹も心配しちゃう俺。

「わかってるわ」

奏翔は笑いながらもしっかりと頷いた。
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