副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
ランウェイの周りに並んで座る。
既に会場は人で溢れかえっていた。

「凄いね。別世界に来たみたい」

「楽しみか?」

「とても! なんか夢見てるみたい。こんなキラキラな世界に自分がいるなんて」

「なんの違和感もないよ。なんなら誰よりも綺麗だ」

「全部絃のおかげだよ」

おいおい。
こんな所でそんな可愛い事を言うんじゃないよ那智ちゃんよ。
そのプルプルの唇キスで塞いでやろうか?
いや、いかん。
キスだけじゃ済まなくなりそうだ。

「あんまり可愛い事言うなよ。襲いたくなんだろ?」

俺は那智の耳元で囁く。

那智は予想通りハッとして両手で口を押さえた。

「やめてってば」

「クククク。いや本当に。帰ったらじっくり付き合ってもらうからな」

「絃っ!」

恥ずかしがりながら怒る姿もめちゃくちゃ可愛い。
< 168 / 264 >

この作品をシェア

pagetop