副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい


「か、奏翔さん!?」

「おつかれさま。途中で那智ちゃんに気づいてさ。てか歩くの早くね? もしかして急ぎだった?」

「い、いや…」

奏翔さんは珍しく私服を着ている。

「今日はお休みですか?」

「そ。俺んちもこっちだから」

「そうなんですね。買い物ですか?」

奏翔さんの手には荷物があった。

「ちょっとそこまでな。絃は?」

「今日は出張で私だけなんです」

私はコンビニの袋を持ち上げて見せた。

「ははは、そっか。方向一緒だし送ってくよ」

「ありがとうございます」

これはぶっちゃけ嬉しい。

「奏翔さんと絃は親戚じゃないんでしたっけ?」

「んー。そうね。俺の親父と丈慈んとこの親父が従兄弟なんだよ」

「ほう」

「んで、丈慈の母親と絃の親父が兄妹」

「あー、なるほど」
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