副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
「でも皆んな同い年で一緒に育ったから、親戚っつーか幼馴染っつーかな。そんな感じ」
「いいですね、そういうの」
「那智ちゃんさ、何で高校の時絃が図書室で寝てる事誰にも言わなかったんだ?」
え?
「言う人もいませんでしたし。言って騒ぎになったら絃がゆっくりできないなって。私も静かに本読みたかったですしね!」
「ははは。そっか。絃、おかげでゆっくり過ごせたって俺たちにも話してたからさ」
そんな風に話してたんだ。
あの頃、さっぱり話した事もなかったのに。
「しかも絃が誰か女の為に何かしてやるとかこれまでなかったし」
そうだったんだ。
出会ってからというもの、私はしてもらってばかりだ。
私もいろいろしてあげたい。
「そうだったんですね、なんか恥ずかしいな」
「絃の事よろしくな。はい、ついたよ」
話してたらあっという間についてしまっていた。