副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい


彼は私を何故かじっと見ている。

な、なに!?

そして急に手が顔に伸びてきて、前髪を上げられた。

ええー!?

すると今度はメガネを外される。

なになになになに!

まさかまさか!
そんな!?
彼女いるじゃん!
ダメだよそんな…

マンガならこのままキスして…

「やっぱり」

「え?」

危うく一人でパラダイスへ行くところだった。

「ククククっなんでもない」

彼はそう言ってまたメガネをかけてくれて、前髪もわりと乱暴に戻された。

「それじゃ、また。塩田那智ちゃん」

そう言って出て行ってしまった。

ジュルっとヨダレが落ちそうになって慌てて口を閉じる。

どうやらあんぐり口を開けていたらしい。
このマヌケめ!

一瞬でもバカな妄想をしてしまった自分を恨む。
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