副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
「わざわざ送ってもらってありがとうございました。それじゃまた」

「ああ。てか俺もせっかく来たから丈慈んとこ行くかな。どうせなら那智ちゃんも来る? まだ会った事ないだろ?」

「え!? いや、いいですよ!」

確かにしばらくここに住んでるけど会った事はない。

「いーから、いーから!」

そして奏翔さんはインターホンを押す。

『はい』

丈慈さんだ。

「俺ー」

短く返事をすると何も言わずにロックが解除された。
ははは。こういう感じなのね。

「行こ」

そしてエレベーターに乗り最上階の四階のボタンを押す。

「あの、本当に私なんて行っても大丈夫でしょうか?」

「大丈夫、大丈夫」

そして一つしかないドアの前に立ってまたインターホンを押した。
まさか1世帯しかなかったとは。

「おう。どした?」

丈慈さんが顔を出した。
うわっ、大人っぽくなってる。
そりゃそうか。

そして私と目が合った。

「ん? もしかして絃の? 那智ちゃんか?」

私はペコっとお辞儀をする。
どうやら丈慈さんも知っていたようだ。
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