副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
「那智ちゃん、俺の妻の天音。仲良くしてやって」
「は、はじめまして。塩田 那智です。私までお邪魔してしまってすみませんっ」
「いえいえ。こちらこそよろしくお願いします」
天音さんはそれは綺麗な所作でお辞儀をした。
凄い。凄く上品だ。醸し出すオーラが。
その後コンビニで買ってきた麻婆豆腐丼を天音ちゃんはあっためてくれて、何故かここで夜ご飯を食べる事になった。
しかも他にも残り物だけどと言っていろいろ出してくれた。
「な、なんだか申し訳ない…」
「遠慮しないでいいよ。奏翔だってめっちゃ食ってるし」
そ、そうだけど…。
それからお酒が出されてなんだかんだですっかり入り浸る。
「えー? 天音ちゃん華道家さんだったの? 通りで! 所作が凄く上品だもんね」
お酒の力もあってすっかり打ち解けてしまう私。
絃の周りの人達は、私の警戒区域を余裕で突破してくる。