副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
車に乗ってまず那智を見る。
今日も変わらず可愛い。

「ただいま」

「ふふふ。おかえりなさい。出張お疲れ様でした」

那智はニコニコして笑うとキュっと俺の手を握った。
俺も握り返す。
ちっこい手だ。
俺が守らないと。

「変わりはなかったか?」

「あ、うん! 昨日の帰り道、奏翔さんと偶然会って送ってくれたついでにってので、丈慈さんと天音ちゃんのお家にお邪魔しちゃった!」

「奏翔から聞いた。楽しかったか?」

「うん! またおいでって言ってくれたよ! 皆んな優しいよね本当に」

「ははは。それは那智がいい奴だからだ。別に誰にでも優しいわけじゃない」

「そんな…私は何もだよ。絃にも、もっとたくさんいろいろしてあげたい」

かっわよ。
あーキスしたい。
抱きつきたい。

< 190 / 264 >

この作品をシェア

pagetop