副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
「すんげ」

その後もカタカタとPCに向かう私。
私はあのメールの差出人を特定するべくこうして昼休みを返上している。

金子くんもそれには気づいていない。

私の前の席には、鈴木さんという年齢不詳の物静かな男性社員が座っている。

うちの会社は各々仕事をするので、席が近いからと言って業務で関わることはほとんど無い。
それぞれ業務委託されているそんな感じだ。

金子くんは今年から入った新採なので一応私が教育係としてついているから話すだけ。

ふと視線を感じ前を向くと一瞬鈴木さんと目が合った気がしたが直ぐにその目はPCを向いた。
気のせいか。
あ、うるさかったかな。

謎だよねこの人。
まぁ、この人に限った事でもないけど。

ほとんどが男性社員なうえに、みんなそれぞれに集中しているしね。
オタク集団とも言える。
だから私も変に干渉されず心地よいのかもしれない。
< 194 / 264 >

この作品をシェア

pagetop