副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
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どうしたもんか。
私は遂にあのメールの差出人を特定する事ができた。

まさか…。
なんで?

ブルっと身震いしてしまうが、絶対態度に出すわけにはいかない。

「先輩ー。すいません、ちょっとここなんすけど」

私は急に金子くんに話しかけられて、思わずビクっと身体が反応してしまった。

「な、なんでしょう?」

金子くんのPCを覗く。

" 先輩、何かありましたか? "

そこにはそんな文字が並んでいた。
私は金子くんを見る。

な、なんで…
き、気づいたの?

ブルブルと震えそうになるのを必死に堪えた。

すると金子くんはまたキーボードを打ち始める。

「ここわかんないんすよねー」

" 俺、先輩の事ずっと見てたんでわかりますよ"

ど、どうしよう…

「あー、ここはこうですよ」

金子くんのキーボードに震えそうな指を必死に動かし怪しまれないように私も打ち込む。

" 何の事かわかりません。気にしないでください "

「ありがとうございます。わかりました」

金子くんはじっと私を見てそう言った。

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