副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい


皆んなが見に来たらきっとお昼寝出来なくなっちゃう。

「ふふふふっ! 那智ちゃんかわいい」

そう言ったかと思えば、チャイムが鳴って先生が入ってきて皆んなも慌てて着席して午後の授業が始まった。

お兄ちゃん…だったんですの。
あ、なるほど。
それでのよろしくだったのね。

そしてあのありがとうはもしかして、昼寝の邪魔をしないでくれてって意味だったのではという答えに行きついた。

言いふらさないでくれてって。

登校シーンもあの日以外にも何度か見かけたけど、いつも大騒ぎされて大変そうだった。

お昼だって、廊下からそういえばキャーキャー悲鳴が聞こえてきていた。

きっと彼にとって図書室は、唯一静かに過ごせる場所なのかもしれない。

そう思ったら、ますます誰にも言えない。
言うつもりも、言う相手もいないけど。

だって私にとっても特別な場所だから。
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