副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい


「す…鈴木さん。やめてください」

私はなんとか声を出す。

「こ、これは立派なストーカーです!」

「ストーカーじゃないよ。ただ君をあんな男たちから守りたいだけだよ」

何言ってんのこの人。

「僕、あの男にも写真送ったんだけどな」

「え?」

絃、知ってたの?

「知らなかった? ははは。あの男、ずいぶん冷たいね。見た目だけだな本当に」

そう言って鈴木さんは怪しい笑を浮かべジリジリと詰め寄ってくる。

「クククク。何もしてくれなかったんだろ?」

違う。
絃はだから迎えに来てくれてたんだ。
何度も聞かれた。
変わった事はないか?って。

そして私が何も言わないから…
たぶん私は知らないと思って、心配かけないようにしてくれてたんだ。

「早く別れなよ。あんな男。僕のところへ戻っておいでよ」

その時絃の声が聞こえる。

「那智から離れろ!」

振り向くとものすごい勢いでリードを引きずって唸りながら走ってくる3頭の姿。

絃も全力疾走してきているのが見えた。
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