副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
「那智、散歩しながら話そう」

「絃っ…ありがとうっ」

那智はコクっと頷いた。

「絃…私もね…写真送られてきてたの」

絃は驚いた顔を見せる。

「ごめんね。まさか絃にもいってると思わなくて…いつも心配かけてるし…これ以上心配かけたくなくてなんとかしようと思って…。つい先日やっと鈴木さんだとわかったの」

「自分で調べたのか?」

那智はコクっと頷く。
おいおい、本当かよ。
すげぇな。

「でもそのあとどうしたらいいかわからなくて…」

「怖かっただろ…」

怖かったに違いない。

「那智、恋人の心配くらいさせてくれ」

「絃…うん。ごめんなさい」

「謝らなくていい。俺こそ悪かった」

「そんなっ!? 絃こそ何も悪くないよ! 追い払ってくれたじゃん」

「いや…もう少し早く動けてれば…」

こんな怖い思いさせずに済んだのに。
ちくしょう。
不甲斐ない。
< 214 / 264 >

この作品をシェア

pagetop