副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
「でも何か仮装するらしいんだよねー」

「なんとかなるだろ。アイツらに任せとけば」

「そっか! ふふふ。それじゃ行ってくる」

「ああ」

絃はそう言ってまたモゾモゾと動き出す。

「もっかい、いい?」

私が断れないの知ってるくせに。
私は返事のかわりにキスをする。

すると絃は嬉しそうに微笑んでキスを返してくれた。

そしていよいよイベントの日がやって来る。
一旦維織と美空が家に集合して支度をして会場までは絃が乗せて行ってくれる事になった。

翠ちゃんと音羽ちゃんは丈慈さんが送ってきてくれるらしい。

「ドキドキしてきたっ」

「ははは! 何でよ」

美空にヘアメイクをされながらそんな事を言えば笑われる。

その横で維織も自分でメイクをしている。

「絃ー、お腹減ったー」

さすが妹。

「ったく」

絃はソファから起き上がって冷蔵庫を物色しだす。

「パスタでいい?」

「任せるー」

見向きもせずに絃に返事をする維織。
絃も全く気にせずキッチンに立ってパスタを作り出した。
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