副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
「絃ー! 早くー! 遅れちゃうー」

「今行くって」

絃はまたため息をつく。

そして車に乗って、イベント会場へ到着して車を停めた絃。

「なぁ、本当にそれで行くの?」

ふふふ。
まだ言ってる。

「何回聞くのよ! んじゃ行ってくるねー!」

美空にグイグイ外に押し出される。

「ちょ、おい! 何かあったらすぐ連絡…」

維織が最後まで聞く前にバンとドアを閉めた。

私は窓越しにニコッと笑って手を振る。
二人も私を挟んで手を振る。

すると絃も、困ったように眉を下げて笑顔を作って手をあげてくれた。

そして絃を見送って私達は会場の入り口へと向かった。

「美空! 維織!」

するとすぐ後ろから声がかかった。

振り向けばそこには翠ちゃんと音羽ちゃんがいた。

「かっわよ! 那智ちゃんだよね!? 会いたかったー!」

2人は私を抱きしめる。
こ、これは一体なんだ!?
めっちゃいい匂いするー。
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