副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
「独り占め出来たらいいのに」

ガンと奥に突かれて高い声が出てしまう。

「あっ…!」

私を上に乗せ抱き抱え、下からズンと押し上げられる。

「はっ…はぁっ…」

「この姿は…クッ…俺だけのだよな?」

吐息混じりの低い声。
その声で囁くように話されるとそれだけでズクンとお腹の奥が収縮してしまう。

「そう…だよっ。絃しか、知らない…」

「クッ…俺だけに、見せて」

絃の独占欲に触れ、こんなにも真っ直ぐに向けられる愛に胸が熱くなる。

絃だって、これまできっとたくさんの人と…

そう思ったら今度は胸が張り裂けそうになった。
絃はもう誰にも渡したくないと。

「絃っ…、好きっ…離れたくない」

私は絃に力いっぱいしがみつく。

「離さないよ。絶対に」

絃も力いっぱい抱きしめてくれ、欲しい言葉をくれる。
胸に燻ったモヤがその一言で嘘みたいに晴れていくのがわかった。
< 228 / 264 >

この作品をシェア

pagetop