副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
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月日は流れ、私は一大決心をした。

クリスマスに絃が喜ぶものを探して。
というかもうこれしか思い浮かばなかった。

着々と準備を進める。
絃を驚かせたくて。
絃と幸せになりたくて。

もう私には絃と離れる未来なんて考えられないし。

そしていよいよクリスマスの日がやってくる。
今日は2人とも休みだけど、絃は午前中だけどうしても用事があると言って出かけた。

私も準備したかったから好都合だ。

急いで目的の待ち合わせ場所へと向かう。

やっとだ!
やっと!

「お待たせ!」

私は声をかける。
そこにはドーベルマンの仔犬がキュルキュルの瞳で私を待っていた。

パパの紹介のブリーダーさんから預かり急いで家に帰る。
この日のために絃になんとか誤魔化して出かけて、面会をしていた。

絃もなんだかんだ忙しそうだったからちょうど良かった。

かわいい。
かわいすぎる。

ロッキーたちもうちに来たときはこのくらいだったな。
三兄弟でみんなキュルキュルだった。

そんな風に昔を懐かしく思いながら仔犬を連れて帰った。
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