副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
「もうすぐ会えるからね。大丈夫だからね」

大丈夫。
きっと絃は喜んでくれる。

「ちょっとだけ、ここにいてね」

そう言って箱の中に仔犬を入れ、箱ごと抱きしめる。

大丈夫。大丈夫と言い聞かせて。

するとカチャっと玄関が開いて、絃が帰ってきた。
大きな箱を抱えて。

「ただいま」

「お、おかえりなさい!」

「ん? 何? それ」

絃はすぐに箱に気づいて聞いてきた。

「あの…あのね?」

その時絃が持っていた箱からガサっと音がした。

「え? 何いまの音」

私は絃に聞く。
すると私の箱からもガサっと仔犬が動き音がしてしまう。

「え?」

絃も気づいたようだ。

「あの…」

絃は自分が持っていた箱をそっと床に置いて、すかさず私の箱の蓋をガバっと開けた。

「クゥーン」

ピョコッと頭を上げ絃を見つめるドーベルマンの仔犬。

「う、嘘だろ…?」

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