副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
あれ…
なんか思った反応と違う…?
私は一瞬で不安に飲まれドクンドクンと心臓がおかしな動きをしだすのを感じた。

「あ、あの…その…」

「クゥーン…」

え?
この子からじゃない声が…
しかもやっぱりガサガサ聞こえる。

「え!? 絃!?」

私はすかさず絃に仔犬を預け、絃が置いた箱を開けた。

「クゥーン…」

「嘘ー!?」

そこには、ゴールドのリボンを首につけたドーベルマンの仔犬がこれまたキュルキュルの瞳で私を見上げていた。
私は思わずその子を抱き上げる。

「かわいいー! え!? え! 絃! えー!?」

「いや…その…。お前が喜ぶのって考えたらこれしか…」

絃も私が預けた仔犬を抱きながらしどろもどろになっている。

「待って待って! 私も! 私も同じ!」

しばらく二人で無言で見つめ合う。
まるで時が止まったかのように。

「「ぶっ! はははははっ!」」

そして2人で吹き出すように笑ってしまった。
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