副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
「え…? これって…」
そこには一粒のダイヤが輝きを放つ指輪が付いていた。
「那智。俺たち、みんなで家族にならないか?」
「え…」
お互い瞳を揺らし黙って目を合わせる。
そして私も連れてきた子を絃に抱っこさせた。
「リボン…見てみて」
絃はそれを見て口を押さえた。
"私と結婚してください。家族になろう。那智"
そう。
なんといっても私は逆プロポーズをしようとしていたから。
絃は驚いた顔のまま私を見る。
私はコクコクと頷いた。
すると絃は口から手をどかし、見つめながら片手を私の頬にそっと優しく添え距離を縮める。
「那智。一生お前だけしか愛せない。俺と結婚してくれ」
その瞳は真実を語るように私を貫く。
「はい。よろしくお願いします」
私の目からは堪えきれず涙が溢れてしまう。
絃は仔犬ごと抱きしめてくれ、ポンポンと頭を撫でてくれた。