副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
「なんでもない日が記念日になった」
「そうだな。最高な気分で正月を迎えられるな」
本当に。
毎年この日が来て1年を労い、その度にまた愛を誓う。
最高だ。
カフェに着くとすっかり頬が冷えてしまって、私はきっとおてもやんみたいに真っ赤になってるはずだ。
そんな中、絃を見れば顔色一つ変わっていない。
そっと絃の頬に触れる。
「なに」
「冷たい」
「冬だしな。外歩いたし」
「何で顔赤くなんないの?」
「ククククっ知るかよ。那智は真っ赤」
ほらやっぱり!
私は手で隠す。
「可愛い」
真っ直ぐに言われて余計に顔が熱くなる。
「ははは。もっと赤くなった」
なんて言って笑ってる。
「やめてよもう!」