副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい


「これ、重ね付けできるやつ?」

「ああ。一応そうらしい」

「可愛い。ありがとう」

「ああ。俺一生外せないだろうな。こんなねじ込まれて」

まだ笑ってるよ。

「はずさないでよ」

絃はそれを聞くと少し驚いた顔をした。

「な、なに?」

「いや、なんか今のグッときたわ。うん。俺、一生はずさない」

何か宣言するみたいに言う絃がなんだかとても可愛く見えて、愛おしいと思った。

「いやさ、もっとこうオシャレな夜景の見えるレストランとかで渡そうとも思ったんだけど」

「思ったんだけど?」

「やっぱり、婚姻届提出したらすぐに渡したいと思って」

このカフェだってじゅうぶんオシャレで素敵な場所だ。
というか、絃とならどこに行ったって素敵な場所になる。

「絃がいるだけで私にはどこでも素敵な場所になるよ」
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