副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
その時帰ったはずの金子くんが戻ってきて、私は慌ててダッカールを外してメガネをかけた。

「え!? 待って待って! 塩田さん!?」

まずいマヌケな顔を見られてしまった。
そりゃ驚きもするよね。

バタバタと駆け寄ってくる金子くん。

「お疲れ様です」

私はスンと表情を戻し何事もなかったように挨拶をした。

「お、お疲れ様です」

「帰ったんじゃなかったんですか?」

「あ、携帯忘れちゃって…。って塩田さん!」

「はい」

なんだってのよ。

「ちょ、もっかい! もっかい見せて!」

敬語がどこかに飛んでしまってるよ金子くん。
別にいいけども。

「絶対に嫌です。忘れてください。失礼しました、お見苦しいものをお見せして」

私はバッグを手に取り立ち上がる。

「ちょちょちょちょちょちょ!」

凄い早口だ。
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