副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
「昔は、家も別にあってね、ほら私学校あったし、さすがにここからは通えないしね」

絃は静かにウィルたちを撫でながら話しに耳を傾ける。

「まぁ滅多にないけど、私が誰かを連れててもジッと見てるだけとか、なんならちょっと唸る勢いだったの」

「そうなのか」

「もともと家族以外には警戒心が強い犬種だし。だからそれもあって、絃を初めてここに連れてきた時緊張してたんだよね」

「あの時、緊張するって言ってたもんな」

「うん。でもロッキーたちは私の心配を他所に凄く懐いてさ」

「ああ。俺も思ったよりフレンドリーで正直驚いた」

「そんな絃とこうして結婚してさ。きっとロッキーたち、あの時既に何か気づいてたのかなって思った」

「そりゃ嬉しいな」

「維織達にだってすごく友好的だったし。やっぱりみんな家族だってわかったからだと思うんだよね」

絃は私を引き寄せこめかみにキスをする。
< 257 / 264 >

この作品をシェア

pagetop