副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
「あんな雨の中、女に引っ叩かれてよ。かっこ悪すぎだったよな」

「はははは」

「あの時お前に会って、誰?って言ったのは…」

私は絃を見る。

「からかったんでしょ?」

絃は横に首を振った。

「違う。本当は直ぐにわかってた。那智が高校の時から、綺麗な事は気づいてたし。だからあの頃から変わらない那智を見て、こんな俺が関わったらダメだと思ったんだ。こんな綺麗な原石みたいな子汚したらダメだって」

え…

「そう思ったけど…。お前が一瞬悲しそうな顔をして、そんな考えはすぐに飛んじまったんだけどな」

「絃…」

「それからはもう気になって気になって仕方なくて。何か俺に出来ることはないかって」

絃は私の頬にキスをする。

「気づいたらもう、抜け出せないくらい好きになってた」

見つめ合うその瞳は情愛でいっぱいになって見え、胸が熱くなる。
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