副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
私を先に階段を登らせ後ろからついてくる絃。

まるで、私の背中を押すように。
私がつまづかないように。
安心して前を向いていられるように。

絃と私のこの先の未来に向かって歩いてるみたいな気持ちになった。

「ありがとう。絃」

「なんだよ急に」

そう言ってフッと笑った彼の瞳は慈愛に満ちていた。

「ふふふ。大好き」

「噛みついてやろうか? その唇」

「部屋まで我慢して」

すると絃は一瞬目を大きくしたが直ぐにその顔は妖艶な顔つきに変わった。

「覚悟しとけ」


どうせ私は抗うことなど出来やしない。
この深い愛からは。

だから私も見せるの。
彼にだけ。
彼の前でだけ輝けるの。
彼が磨いてくれるから。



ーENDー
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