副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
「ははは。図書室でも黙ってたもんな」

そう言って力なく笑った。
しばらく黙ったままだったが話し始めた。

「俺、昔からこの見た目とか、まぁ、家とかで御曹司だとかなんだとか騒がれて。うんざりなんだよ。まぁ俺だけじゃないけど」

ああ、あの四人組の事かな。

「近づいてくる女はみんな決まって、俺の中身なんて見ないし」

中身を見ない…?

「俺も自分を出さないけど、それでも好き好きって。何をだよってな。お前、知らねぇだろって内心思ってた」

そういう事か。

「だから最初から割り切った関係だけでいいんだよ」

割り切った関係って、身体のお付き合いってやつだよね。
私には知らない世界だ。

「なのにいつからか彼女ずらし始めて、約束も無しに会社まできて、急に家に入れろだのなんだのって」

ほう。

「俺、そういう関係の女は入れたくないんだよ」

そ、そういうもんなんですね。
< 37 / 264 >

この作品をシェア

pagetop