副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
「んで断ったらあれよ」
彼は嘲笑うかのようにフッと笑った。
「まぁ、俺も身体だけ借りてたしなんも言えねぇけどな」
な、なるほど。
「たぶん俺、人を好きになれないんだな」
私は黙ったまま話を聞く。
「あースッキリ」
どうやら愚痴ってスッキリしたようだ。
イケメン御曹司にも悩みがあったらしい。
煌びやかな世界で生きてる人は悩みなんてないかと思ってた。
「なぁ、こっち見てよ」
え?
私は急に話しかけられて彼を見る。
すると前髪をあげられメガネを外された。
ちょ、ちょっと!
デジャヴか!?
「やっぱり」
だから何がだよ!
「変わってない。あのあと髪切らなかったんだ?」
え?
「俺、髪切ってメガネ外せって言ったろ?」
いや…
「しましたよ、あの後すぐに」
い、言ってしまった。