副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい


「んで断ったらあれよ」

彼は嘲笑うかのようにフッと笑った。

「まぁ、俺も身体だけ借りてたしなんも言えねぇけどな」

な、なるほど。

「たぶん俺、人を好きになれないんだな」

私は黙ったまま話を聞く。

「あースッキリ」

どうやら愚痴ってスッキリしたようだ。
イケメン御曹司にも悩みがあったらしい。
煌びやかな世界で生きてる人は悩みなんてないかと思ってた。

「なぁ、こっち見てよ」

え?
私は急に話しかけられて彼を見る。

すると前髪をあげられメガネを外された。

ちょ、ちょっと!
デジャヴか!?

「やっぱり」

だから何がだよ!

「変わってない。あのあと髪切らなかったんだ?」

え?

「俺、髪切ってメガネ外せって言ったろ?」

いや…

「しましたよ、あの後すぐに」

い、言ってしまった。
< 38 / 264 >

この作品をシェア

pagetop