副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
「あ、そうなの？　なのにまた元に戻したのか？」

コクっと頷く。

彼は一瞬だが眉間にシワを寄せた。

「何かあったのか？　俺は壁だ」

あ、これ話せって意味ね。
んー。大した話しじゃないんだけどな。
でもいっか。
壁だと言うし。
贅沢な壁だこりゃ。

「実は、二年になって前髪も切ってメガネもはずしてドキドキしながら学校へ行ったんです」

彼は黙ったまま聞いている。

「そしたら、笑われるし、今更だとか言われバカにされましたよ」

そう言って私は鼻で笑った。
言ってやったぜ。
壁め。

「私、もともと生まれつき色素が薄めで。地毛も茶色いし、目の色も変だし、それで昔から珍しいのかよく騒がれたんです」

「私に似合ってないんですよ」

「だから高校からは私を知る人がいない所に行きたくて、地元を離れて寮に入ったんです。髪も黒に染めて、前髪で顔を隠して別に目も悪くないけどメガネをかけて」

「私にはこれがお似合いなんです」

変わりたいと素直に言えない。
でも壁よね。

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