副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
「本当は…ありのままで…過ごしたい。胸を張って、歩いてみたい。…変わりたい」

「でもまた笑われたりしたら、嫌です」

誰にも話した事ないのに、よりによって絃先輩にこんな話をしてしまう。

「なんか、スッキリしました。誰にも言ったことなかったので」

私は彼を見た。
彼は黙って私をじっと見ていた。

「絃先輩、風邪ひきますよ。帰ましょう」

「ああ」

「それ、返してください」

そう言ってメガネを受け取り装着した。

「それ俺の前では外せば?」

「え?」

「いや、なんでもない」

そう言って、マンションへ向かい親切に部屋の前まで送ってくれた。

「ここ社宅なんだっけ?」

普通のマンションが気になるのかキョロキョロ見ている。

「あ、はい」

「何で一階なの?」
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