副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
後日俺はまた図書室へ向かう。
誰もいない。
待ち伏せもされていない。

あの子、俺がここにいる事言いふらしてないのか?

とりあえず寝よ。
寝み。昨日の女、ヤバかったし。
なんて思いながら俺が昼寝を始めた頃、ガラっと扉が開くとあの子が入ってきて、こっちをチラッと見た後何も言わずにカウンターへ入った。

俺は気になって様子を伺う。

どうやら当番で、ここで昼食をとるらしい。
食べ終わればそのまま静かに読書を始めた。

やっぱり話しかけて来ない。
見向きもしない。
まるで俺の存在なんて気づいてもないみたいに。

そしてやっぱり他に誰も入って来ない。

パラパラと彼女が本のページをめくる音を聞きながら、窓から差し込む陽の光を浴びて俺は心地よさを感じそのまま眠った。

ポケットに入れている携帯のアラームの振動で起きる。
彼女を見ればまだ本に夢中になっていた。
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