副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい

たぶんあいつは俺なんかがこんな所で話しかけたら恰好の的にされる。

俺の事を黙ってくれてるおかげで昼休みをゆっくり過ごせてるのは確かだ。

俺は那智のすぐそばにいた維織を呼び廊下で話す。

「ったくよ。忘れんなよ。目立つ」

「ごめんて! さんきゅ」

「ああ。んじゃな。今日の夜飯ハンバーグだとよ」

「やった! ママのハンバーグ大好き!」

コイツは呑気だな。

弁当も渡して俺も一旦教室に戻った。

んー。やっぱねみぃし、うるせぇな。

そして人目を気にしながら誰にも見つからないように図書室へ向かうと、今日もあいつは変わらずカウンターにいた。

ちっこいからかすっぽりとカウンターに隠れている。

一瞬目があったがスッとまた本に視線を戻された。

なんだよ。
さっき教室で目が合った時はあんなに驚いた顔を見せたのに。

「維織と同じクラスだったんだな」

俺は那智に話しかけた。
まさか話しかけられると思ってなかったのか、驚いた顔をして俺を見上げる。

「あ、はい」

やっぱり綺麗な瞳をしている。
そしてめっちゃ声が小さかった。

俺は思わず笑ってしまう。
怖がらせたくはない。
こんな三年の大男に急に話しかけられたら驚くよな。
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