副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
「維織の事よろしくな」

一応、維織と同じクラスだし俺は兄貴だし言っとく。

「あ、はい」

「いつもありがとな」

静かに寝かせてくれて。

「あの、何かしましたかね?」

なのに那智は婆さんみたいな話し方で何のお礼をされてるのかもわかってなかった。
おかしくて笑ってしまう。
なんだよコイツは。

「ククククっ。いや、何も。それがいい」

わかってないならそれでいいし、そのままでいて欲しい。
俺はいつも通りまた窓際へ向かった。

横になりながらいつも通り静かな時間を過ごす。
てかあいつ、よく見たらめちゃくちゃ美人じゃね?

そして帰り際に気になりすぎてカウンターの前で立ち止まる。
すると那智が顔をあげた。

髪が邪魔だな。
俺は前髪をあげる。
綺麗な額だった。
メガネも邪魔だ。
メガネも取り上げる。

「やっぱり」

めちゃくちゃ美人だ。
肌も透き通るように綺麗だった。

「え?」

那智はポカンとしてる。
あ、これ気づいてないんだな。
多分他の奴も。
ははは。
俺だけ気づいた。
なんだか原石を見つけたそんな気分になった。
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