副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
ガラッと扉を開ければいた。
那智だ。

今日も安定の野暮ったい髪とメガネだ。

お礼を言うと、案の定ポカンとしている那智。
全く俺の事など意識してなかったんだろう。
本当にこんな女は初めてだ。

扉を閉めて、やっぱり戻る。
伝える事もこの先ないし会うこともないだろうから。

「あ、あと、前髪切ってメガネ外せ。 せっかくかわいいのにもったいないぞ」

言い逃げするようにまた扉を閉めた。

すると聞いたこともないような大声で那智が叫んだ。

「はぁー?」

なんだよ、元気な反応できんじゃん。
あいつ、大人しそうだけど実は違う?
ははは。最後に面白い一面が知れて良かったわ。

「ごめーん!」

俺もそう叫んで、高校生活に幕を閉じた。
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