副社長は輝きを秘めた彼女を暴きたい
「絃くんいらっしゃい。その子?」
そう言って、これまた高身長のめちゃくちゃイケメン美容師が出迎えてくれた。
類は共を呼ぶ。
牛は牛づれ馬は馬づれ。
さすがだ。
「ああ。那智ってんだ。高校の後輩」
絃先輩は私を紹介した。
「なるほど。那智ちゃん、俺藤堂大地(とうどうだいち)。よろしく」
そう言って握手をされる。
「よ、よろしくお願いします。塩田那智です」
その左手の薬指には指輪が光っていた。
「美空は?」
先輩が大地さんに話しかける。
「ああ。たぶん今から来るかも」
大地さんは窓の外を覗きながら答えた。
「そうか。那智、美空っていたの覚えてるか?」
え?
先輩と目が合う。
美空って…
美空ちゃん?
あの?
「維織ちゃんと一緒にいた?」
「そう。大地は美空の旦那」
ええ!?